PMOとして各社ベンダーを巻き込み、オウンドメディアを中心とした採用活動を支援。オウンドメディアでの応募数を約2倍に。

#大手フードチェーン

  • 課題

    自社サイト(オウンド)のポテンシャルはあるものの、サイト全体を改修するにはシステム知見も必要だったため、手をつけられない状況であった。

    多くの店舗を全国に展開する大手フードチェーンである同社は、事業の根幹を支える人材、特に店舗スタッフの継続的な採用が経営上の重要課題でした。

    同社の採用活動において、自社で運営する採用サイト(オウンドメディア)は、企業のブランドイメージを直接伝え、求職者からの直接応募を促す重要なチャネルとして期待されていました。しかし、そのポテンシャルを十分に引き出せているとは言えない状況にありました。

     

    • 問題の構造

      • 内部要因: 人事部内にウェブサイトのシステムやUI・UXに関する専門知識を持つ人材が不在。サイト全体の改修には、デザイン、システム、コンテンツといった複数の専門領域が関わるため、プロジェクト全体を俯瞰し、推進する機能がありませんでした。

      • 外部要因: 日々の採用業務に追われる中で、中長期的な視点が必要となる大規模なサイト改修プロジェクトに着手するリソースを確保することが困難な状況でした。

     

    結果として、改善の必要性は認識しつつも、具体的なアクションを起こせない状態が続いていました。

  • 提案

    PMOとして入ることで、各ベンダーをマネジメントし、サイト・システム改修を継続的に実施することをご提案。

    この複雑な課題に対し、弊社は単なるWebマーケティング施策の提案ではなく、プロジェクト全体を円滑に推進するための「PMO」としてのご支援を提案しました。課題の本質は、個別の施策が不足していることではなく、関係各所を統括し、意思決定をしながらプロジェクトを前に進める「推進力」が欠如している点にあると分析したためです。


    弊社のPMOが担う具体的な役割は以下の通りです。

    • ハブとしての機能: 人事部、情報システム部門、サイト制作会社、システム開発会社など、複数のステークホルダーの間に立ち、コミュニケーションを円滑化。専門用語の翻訳や要件の整理を行い、円滑な合意形成を促進します。
    • ベンダーマネジメント: 各ベンダーの役割と責任範囲を明確にし、スケジュールや品質を管理。人事部のご担当者様が、煩雑な調整業務から解放される体制を構築します。
    • 戦略的なロードマップの策定: 場当たり的な改修ではなく、目指すべきゴール(KGI・KPI)を経営陣と合意の上で設定。そこから逆算し、優先順位をつけた上で実行計画を策定し、継続的な改善サイクルを回していきます。

     

    この提案の核心は、一度きりのサイトリニューアルで終わらせるのではなく、市場の変化や求職者のニーズに合わせ、迅速かつ継続的に採用サイトを進化させていく「仕組み」そのものを構築することにありました。

  • 成果

    オウンドメディアのSEO改善やUI・UXを改善。オウンドメディアの応募数を約2倍に改善。

    PMOとしての支援により、これまで着手できなかった採用サイト全体の継続的な改善が実現しました。
    具体的な施策として、検索エンジンからの流入を増やすためのSEO改善や、求職者がストレスなく応募に至るためのUI・UX改善などを実施。これらの施策が複合的に機能した結果、オウンドメディア経由の応募数を約2倍に増加させることに成功しました。


    この成果は、単なる応募数の増加に留まりません。

    • 採用基盤の強化: 外部の求人広告への依存度を下げ、安定的かつ効率的に母集団を形成できる体制が構築されました。
    • 人事部門の機能強化: 専門的なプロジェクト管理を外部に委託することで、人事担当者は採用戦略の立案や面接といった、より本質的な業務へリソースを集中できるようになりました。

     

    今回の支援は、採用サイトという「点」の課題解決ではなく、採用活動全体の最適化という「線」の視点から、企業の持続的な成長を支える強固な採用基盤を構築する一助となった事例です。